532297 / 朝泡鈴菜
りんご飴とツインテールツインテールを揺らして
彼女は走ってきた
待ち合わせ5分前
そんなに急がなくていいのに
ある日突然に
オレの下駄箱に入っていた手紙
かわいい字に興奮覚めず
授業中も何も耳に入らなかった
「話したいことがあります」
その一文をしっかりと見たオレは
キライだっていう方の告白なんか
じゃないよな?ってドキドキした
顔も耳も真っ赤にして
りんご飴みたいに真っ赤にして
校舎裏 やっと言った彼女
「あなたが好きです」
幻聴じゃないよな?
言葉を間違えているわけないよな?
「あなたが好きです」なんて
なんで なんで なんで 言ったんだ?
ここにいるのは2人だけ
胸の鼓動は収まらない
彼女は息をゼエゼエ切らして
また頬を赤く染めたんだ
無性に独り占めしたくなった
手を繋ぎたくなった
オレの顔見てやっと
笑顔を見せた彼女を見つめている
震える声で でもしっかりと
「オレも好きだよ」と言った
今度はりんご飴じゃなくて
ゆでダコみたいになった彼女
予想外な言動ばかりで 今もオレを振り回して
これからもどんどん好きになるはずの人
彼女は花のような笑顔で
「好きだよ」と返してくれた
これからどうなるのだろう
これまでとは違う関係になって
さあ ほらね 手を繋いでいこうか
いつまでも草花が枯れぬように
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