297952 / 清流さん
もう一つの世界僕がこれまで通ってきた分岐点
選んだ先の結果は碌な物じゃない
僕の望んだ世界から
大きく離れた
ある日の事だった
見知らぬおじさんがやってきた
おじさんは語った
「もう一つの世界を見ないか」
僕は頷いた
もう一つの世界は何だろうか
深い考えも無く
好奇心で頷いた
連れられた世界
それは一見すると普通の世界
僕の世界と変わらなかった
しかし僕は見てしまった
赤いスポーツカーに乗りこなし
可愛い彼女を引き連れた僕の姿
それは理想の僕の姿であった
その衝撃は大きかった
何故顔も性格も同じはずなのに
どうしてこうも違うのか
何が違えばそうなったのか
そして僕は思い出す
選び違えた分岐点
有りえた世界を
それが選べなかった
ただそれだけの話
選べなかった世界と
思い込んでいただけ
それが分からなかった
ただそれだけの話
世界は残酷なんかじゃない
ただ道を間違えただけなんだ
今からでも戻れることはできるかな
できないんだろうし行けないんだろうな
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