657079 / SUNNY
推して参るそれは怪異と呼ばれる
類のものであったか
幼獣と思しきそれは背に剣を生やし
緑色の血を滴らせている
大勢の役人とそれの間に
反射的に割り込んでしまった
自らを悔いる
自然剣先は私に向けられる
それを差し出し投降すれば
助かる見込がないわけではない
それでもそれはない
ないと心が叫んでいる
勝ち負けではない
生き死にではない
前へ前へ前へ
何かに突き動かされるように前へ
歯の根が合わないような
状態にもかかわらず
その言葉は流暢に奏でられた
推して参る |
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