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351092 / さやさや 
 さやさやと風吹けばさやさやと風が吹いている
 
学校はまた廃校になり統廃合を繰り返す
 
ひたすら続くシャッター通りが通学路
 
そこを歩く子供たちもどこか寂しげで 
 
さやさやと風が吹いている
 
ここもかつては人混みで溢れた商店街
 
今や人影ひとつ見えず灯りも消えて
 
アーケードは鳥の巣まみれで 
 
誰もいなくなったこの街で
 
赤い橋の下で潮風に当たり
 
未だに君の帰りを待っている
 
僕はいつまでも未熟なままで 
 
さやさやと風が吹いている
 
過疎区域はまた市町村合併を繰り返す
 
大学や企業の誘致に努めるも
 
人口流出は止まらなかった 
 
さやさやと風が吹いている
 
加速する少子高齢化と一極集中化
 
この街はもう元に戻らない
 
僕たちはもう元に戻れない 
 
さやさやと風が吹いている
 
寂れた街にも等しく朝日は照らす
 
その中を共にはしゃいで遊んだ
 
君はもう帰ってこない 
 
さやさやと風が吹いている 
 
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