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349571 / 清流さん 
 富士清流精舎それはかつて富沢町と
 
呼ばれた所にあった
 
それは灰色に濁った色をした
 
気味の悪い工場の姿をしていた 
 
しかしその名前は「富士清流精舎」
 
と言う宗教施設の名前だった
 
信仰の欠片も感じられない
 
精舎とすらも呼べない姿をしてるのに 
 
そこには祇園精舎の様に
 
鐘の声も聴こえない
 
沙羅雙樹の花なんて生えていない
 
不気味な機械音が鳴り響くだけ 
 
毎日の如く工場に入れられる信者
 
逃げ出せばすぐに捕まり連れ戻され
 
日に日に金属の材料は増えて行く
 
この光景は異常な物だった 
 
そして明かされるその工場の正体
 
それは国家転覆を企む
 
カルト教団による武器工場だった
 
そこには神も仏もいなかった 
 
ありがたそうな名前を付けた殺人兵器工場
 
それは罰当たりを越えた神への挑戦
 
その工場の武器はつかなかったが
 
彼らは毒ガスを選びテロを実行した 
 
結局カルト教団は警察の操作で壊滅し
 
富士清流精舎も解体された
 
今では公園となりその横を
 
清流がただただ流れるだけだった 
 
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