351440 / 甚五郎
ガラスのボーリングピン九官鳥の鼻歌で目を覚まし
朝食の準備に取り掛かる
TVから聴こえるニュースは
北方の国に隕石が落ちたと伝える
家の外からサイレンが鳴り響く
しかめっ面で様子を伺うと
隣に暮らす老人がビニールシートにつつまれ
運ばれていった
蛍光色のジャンパーとベロア地のスニーカーに
身を包み
3年前に潰れたボーリング場へと向かう
仕方のないことだけど
夢の無い話だけど
ボーリングピンは砕け散った
そのピンはガラスで出来ていたから
仕方のないことだけど
夢の無い話だけど
支配人は新しいピンを用意すると
言ったまま行方を暗ました
仕方のないことだけど
夢の無い話だけど
仕方のないことだけど
夢の無い話だけど |
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